あべ裕美子のかけ歩き

日本共産党・あべ裕美子福島県議の活動報告です

いまこそ、無罪判決を勝ち取った松川闘争に学ぼう--松川資料ユネスコ世界記憶遺産登録をめざす学習会

 10月29日(土)松川を語り継ぐ学習会が開かれ、第1回松川賞を受賞した詩人・作家の前田新さんと「労働運動と松川事件」の切り口から安田純治さんが話をしました。

 前田新さんが会津高田町の町会議員をされていた時に私は、選挙の応援に行き、大柄な体格で張りのある声で堂々の演説をされるのを何度か聞きましたが、詩人・作家でもあり、病気で左手足が不自由になり、体調を崩してからはペンを持って活動され、詩集や小説を出版していることに尊敬の念を持っていました。詩集「貧農記ーわが鎮魂」で福島県文学賞詩の部正賞を受賞し、小説「彼獅子舞の村」では第51回農民文学賞を受賞しています。

 

 前田さんはローゼンバーグ事件を例にしながら、松川事件の死刑判決が出された日に鈴木信さんが書いた「妻よ」の詩を紹介しました。松川闘争ではたくさんの詩が書かれ、詩運動があり、それは頭で書いたのではなく、心の中から、活動している中で書かれた詩であると語りました。

 東北本線で列車転覆事件が起こり、それを仕組んだのが鈴木信さんら組合の活動家、日本共産党員たちだという謀略事件は、その当時、まわりはどこを向いてもやらないはずはない、やっただろうという風潮の中で、無実を主張すること自体がどんなに大変な戦いであったかと想像もつきません。私は35歳の時から日本共産党福島県委員会に勤務し、死刑判決を受けた鈴木信さんや阿部市治さんと一緒に仕事をさせていただきました。ところどころ話を聞く機会もありました。

 県常任委員であった古関政行さんが語った話「福島駅前で松川無罪の署名に立ち、1日立ち続けて、署名をしてくれた人がいた。住所は東京の人だったが、たった一人でも、わかってくれる人がいるという喜びでいっぱいだった」との話を思い出します。

 前田さんは共産党が強かった湯川村に集まって、中央より5年早く会津民主主義文学会を作ったことや草野新平さんが松川事件死刑判決を行った裁判長の薄ら笑いについて書いていることなどを紹介しました。

 国家権力がここまで仕組んだものを無罪にできるとは思えなかったと安田純治さんは語りましたが、絶対権力者の謀略犯罪に、被告は獄中から不屈に闘い、家族や知識人や日本の良識を結集して全員無罪を勝ち取った松川事件

 今、戦争法や共謀罪を推し進める安倍内閣。前田さんは「今、松川事件が起きた状況と似ているのではないか。真実を見ていくことが仕事の詩人の目で見、命ある限り松川に学んだ教訓を生かして行きたい」と話を結びました。

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