12月17日(土)福島市で「ACT,アクトって何?」と学ぶ会が開かれました。ACTとは精神障害を抱えた人たちが入退院を繰り返すことなく、住み慣れた場所で安心して暮らしていけるように様々な職種の専門家で構成されるチームが支援を行うことです。
福島県立矢吹病院佐藤浩司副院長は医師の立場からこれまでの実践を踏まえて、日本の精神科医療はまだ入院中心主義であること、精神科医師にとってのアウトリーチとは何かを語りました。日本は脱施設化が遅れていてOECD諸国で精神科病床数が最も多く、OECD平均は10万人当たり68床のところ、日本は269床です。医師として地域支援を行う時の心構えは示唆に富んだものでした。患者の病状を軽快させたいと願うとき、問題より可能性を、強制ではなく選択を、病気よりはむしろ健康を見るようにする。「医者の仕事は希望を処方することだ」
矢吹病院看護師の立場から、訪問看護ステーションなごみの取り組み、当事者の体験、家族会の発言とどれも大変勇気をもらいました。私は兄弟が統合失調症で就労支援作業所の設置にかかわってきました。主催者の丹羽教授が呼びかけた「当事者や家族の声、何がほしいのかを明確にしていくことが必要」に同感です。福島県についても発言を強めなければと思いました。