11月27日(日)福島県女性団体連絡協議会・集い実行委員会が主催する第15回福島県男女共生のつどいは「わかりあう社会づくりへ」、福島の漁業の現状とこれからのテーマで行われました。本県の水産業は原発事故で最も甚大な被害を受け、事故後5年8か月が過ぎましたが、いまだに試験操業が続き、本格操業ができないでいます。
「海産魚介類への放射能の影響及び試験操業の取り組み」について、藤田恒雄福島県水産試験場相馬支場長が講演しました。●海産魚介類への放射能の影響は小さくなり、ほとんどが不検出(約3万8千件のモニタリング)●低いながらも数値が出る魚種は限定的●今後、出荷制限解除が進むと考えられる。小規模な操業と販売を試験的に行ってきて、現在は東京都(築地)や宮城県など18都府県の市場へ拡大。続いて、いわき漁協女性部沼の内、久ノ浜、小浜支部長の女性たちが東日本大震災の時の様子や避難の時の家族への思いや半農半漁で生計を立てて暮らしていた様子など日々の思いを具体的に語りました。津波で船も事務所も流されてしまったこと、部落が壊滅状態になってしまったこと、それでも香りも触感も良い砂干しわかめやウニの貝焼きの復活を願い、冬はあんこうややなぎカレイ、春はめひかり、やりいかやひらめなど常磐ものといわれるおいしい魚を出荷できるようになりたいとの浜の母ちゃんたちの頑張りが伝わってきました。ガレキ撤去の仕事をしながら、各町の料理教室へ出かけて行って、魚の料理を伝えたり、さんまのつみれ汁を振る舞いへ東京へ出かけています。
寒流と暖流が交差する豊かな海の本格操業を一日も早く実現することを願ってやみません。
”常磐もの”とは、古くから海の恵みを大切にし、食文化として育ててきたいわき市の水産物と水産関係者の総称です。