9月9日、県教育会館大ホールで「とも育ちシンポジウム」が開かれました。憲法9条を守る運動を進めてきた方々が実行委員会をつくり、9条の9にこだわって、9月9日に開会しました。教育のうたごえナゴミーズの「誰か教えて誰か答えて~被曝地区から~」の演奏で始まりました。お母さんの立場から、保育士さん、双葉高校から転入している高校生、中学校教諭の4人が意見を述べ、福島市で開業されているクリニックの小児科医が問題提起を行い、それを受けて、シンポジウムが行われました。田中孝彦さんをコーディネターに元福島大学教授境野健二さん、元国立市市長・「脱原発をめざす首長会議」事務局長の上原公子さん、元全日本教職員組合委員長の三上満さんが意見を述べました。教育学者の佐藤学さんがまとめ・閉会を行いました。
富岡から避難をしてきて病気のお母さんをなくすという過酷な体験をした高校2年生の発言は会場の涙を誘いました。外で元気に遊べなくなってしまった子どもたち。低線量の会津に宿泊研修に来て、「寝転んでも、なんでもいいよ」と先生が言ったら、「先生、ほんとに寝転んでもいいの」との声が返ってきた。その言葉を聞いて先生は涙がこぼれて仕方がなかったという話。など現場の状況が語られました。
会場からは「もういい加減、だまされたという言葉を使うのは大人はやめにしよう。気合い入れて学んでいきたい」との発言もありました。人間としていかに生きるか。過ちを繰り返させないために、人間らしく生きるということを回復する。誰かに頼って判断する生き方をしない。情報を自分で把握する力。自らの選択で生きていく力をつけること。などいろいろな角度から意見が交わされました。福島はまだまだこれから、もっともっと、意見を交わし、学びあい、共に育ちあい、子どもを中心に福島復興をめざそうとの思いを強くしました。福島の問題は日本の問題、世界の問題、社会のあるべき姿を問う問題だと思います。