やってもいないのに殺人事件の犯人にされて、無期懲役の刑を受け、29年も獄中生活を強いられた桜井昌司さんの話を聞きました。
「布川事件」は1967年茨城県利根町布川で起きた強盗殺人事件の犯人として桜井昌司さん(当時20歳)杉山卓男さん(当時21歳)の2人の青年が無期懲役の刑を受けた事件です。
無実を訴え続け裁判のやり直しを求めて、44年の苦しみの末に最審・無罪判決を2011年5月24日に勝ち取りました。
桜井さんは語ります。
20歳の時にまさかこんな人生を送るとは夢にも思わなかった。
刑務所に入ってよかった。自分は自分のままでいられた。ありのままの自分でいられた。昔、泥棒もやった、ワルの俺みたいな人間が変わることが出来た。結婚もした。妻のけい子さんにはとても感謝している。なぜ自分が変われたか?
国民救援会に出会っていなかったら今の自分はなかった。無償の思いで支援をしてくれる人々。出会いをどうつないで生きていくのか。桜井さんは獄中で歌を作詞作曲し、自ら歌手として歌い、CDも発売しています。「おふくろは自分が真人間になったことを見ないで亡くなってしまった。」その思いがあふれる「かあちゃん」の歌は泣かされます。桜井さんの歌と話から人の可能性のすばらしさを教えられました。